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WHO手指衛生自己評価フレームワーク

手指衛生レベル判定

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括弧内の数値はスコアを表す
1. システム変更
小計   / 100

1. 1 あなたの医療施設において、擦式アルコール性手指消毒薬はどの程度容易に使用できますか?
  • 使用できない(0)
  • 使用できるが、製剤の効果皮膚への安全性が証明されていない(0)
  • 特定の病棟でのみ使用できる、または常時供給されていない(効果皮膚への安全性が証明された製剤を使用)(5)
  • 施設全体において使用可能であり、常時供給されている(効果皮膚への安全性が証明された製剤を使用)(10)
  • 施設全体において使用可能で常時供給されており、ほとんどの病棟においてpoint of careでの使用が可能である(効果皮膚への安全性が証明された製剤を使用)(30)
  • 施設全体において使用可能で常時供給されており、各point of careでの使用が可能である(効果皮膚への安全性が証明された製剤を使用)(50)
1. 2 シンク(手洗い場):病床比は?
  • 1:10未満(0)
  • ほとんどの病棟において少なくとも1:10(5)
  • 施設全体において少なくとも1:10、隔離病室および集中治療室では1:1(10)
1. 3 清潔な流水が常に供給されていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
1. 4 各シンクには石鹸が配置されていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
1. 5 各シンクには使い捨てタオル(ペーパータオル)が配置されていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
1. 6 手指衛生製品(擦式アルコール性手指消毒液等)を継続的に購入するための専用の、または利用可能な予算がありますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
※追加質問:アクションプラン
質問1.1から1.6の合計スコアが100未満の場合に限った質問です。該当しますので回答してください。
1. 7 あなたの医療施設のインフラストラクチャーを改善する現実的な計画がありますか?
  • いいえ(0)
  • はい(5)
2. 研修および教育
小計   / 100

2. 1 自施設における医療従事者の研修について
2. 1a 自施設で医療従事者が受ける手指衛生研修の頻度は?
  • なし(0)
  • 1回以上(5)
  • 医療・看護スタッフ、または他のあらゆる専門職種に対して年に1回以上の定期的研修が実施されている(10)
  • 全ての専門職種に対して就職時およびその後の年に1回以上の定期的研修が義務付けられている(20)
2. 1b 全ての医療従業者についてこの研修の受講歴を確認する方法はありますか?
  • いいえ(0)
  • はい(20)
2. 2 次のWHO資料、またはそれに準ずるものを全ての医療従事者が簡単に参照できる環境にありますか?
2. 2a WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health-care: a Summary(WHO 医療における手指衛生ガイドライン:要約)
  • いいえ(0)
  • はい(5)
2. 2b WHO Hand Hygiene Technical Reference Manual (WHO 手指衛生テクニカルリファレンスマニュアル)
  • いいえ(0)
  • はい(5)
2. 2c WHO Hand Hygiene:Why, How and When, Brochure (WHO 「手指衛生なぜ、どのように、いつ」パンフレット)
  • いいえ(0)
  • はい(5)
2. 2d WHO Glove Use Information, Leaflet(WHO「手袋の使用について」リーフレット)
  • いいえ(0)
  • はい(5)
2. 3 手指衛生教育プログラムの指導者として十分なスキルを持つ専門家が医療施設内で積極的に活動していますか?
  • いいえ(0)
  • はい(15)
2. 4 手指衛生遵守観察者の研修および評価システムは確立されていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(15)
2. 5 手指衛生研修のために割り当てられた予算がありますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
3. 評価およびフィードバック
小計   / 100

3. 1 手指衛生のための資源(擦式アルコール性手指消毒薬、石鹸、使い捨てタオルなど)の評価が定期的に(年に1回以上)行われていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
3. 2 手指衛生の適応と正しい手技について医療従事者の知識を少なくとも年1回は評価していますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
3. 3 手指衛生遵守の間接的モニタリング
3. 3a 擦式アルコール性手指消毒薬の消費量を定期的に(少なくとも3-5か月に1 回)モニタリングしていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(5)
3. 3b 石鹸の消費量を定期的に(少なくとも3-5か月に1 回)モニタリングしていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(5)
3. 3c 1000延べ患者数あたり、少なくとも20Lの擦式アルコール性手指消毒薬を消費していますか?
  • いいえ(または、測定していない)(0)
  • はい(5)
3. 4 手指衛生遵守の直接的モニタリング
この項目は、手指衛生遵守観察者が研修を受け、施設から認定されており、また、WHO「手指衛生の5つのタイミング(My 5 Moments for Hand Hygiene)」または同等の方法を使用する場合に限り回答する。
3. 4a どのくらいの頻度でWHO手指衛生観察ツール(WHO Hand Hygiene Observation tool)または同等の方法を用いた手指衛生遵守の直接的モニタリングを実施していますか?
  • 実施していない(0)
  • 不定期(5)
  • 年に1回(10)
  • 少なくとも3か月に1回(15)
3. 4b WHO手指衛生観察ツール(WHO Hand Hygiene Observation tool)または同等の方法を用いた場合、自施設の手指衛生遵守率はどの程度ですか。
  • ≦ 30%(0)
  • 31-40%(5)
  • 41-50%(10)
  • 51-60%(15)
  • 61-70%(20)
  • 71-80%(25)
  • ≧ 81%(30)
3. 5 フィードバック
3. 5a 即時フィードバック
手指衛生の観察を行うたびに、即時に結果を医療従事者にフィードバックしていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(5)
3. 5b 組織的フィードバック
経時的な傾向が示された手指衛生指標に関するデータを、下記の対象者に定期的(少なくとも6か月毎)にフィードバックしていますか?
3. 5b.i 医療従事者
  • いいえ(0)
  • はい(7.5)
3. 5b.ii 施設の管理職/幹部
  • いいえ(0)
  • はい(7.5)
4. 職場での注意喚起
小計   / 100

4. 1 次のようなポスター(または同等の内容を示すもの)が掲示されていますか。
4. 1a 手指衛生の適応を示すポスター
  • 掲示されていない(0)
  • 一部の病棟/診察室・処置室に掲示されている(15)
  • ほとんどの病棟/診察室・処置室に掲示されている(20)
  • 全ての病棟/診察室・処置室に掲示されている(25)
4. 1b 正しい手指消毒の方法を示すポスター
  • 掲示されていない(0)
  • 一部の病棟/診察室・処置室に掲示されている(5)
  • ほとんどの病棟/診察室・処置室に掲示されている(10)
  • 全ての病棟/診察室・処置室に掲示されている(15)
4. 1c 正しい手洗いの方法を示すポスター
  • 提示されていない(0)
  • 一部の病棟/診察室・処置室に掲示されている(5)
  • ほとんどの病棟/診察室・処置室に掲示されている(7.5)
  • 全ての病棟/診察室・処置室に掲示されている(10)
4. 2 どのくらいの頻度で全てのポスターについて破損の有無を確認し、必要時貼りかえる組織的な監査を実施していますか?
  • 実施していない(0)
  • 年に1回以上(10)
  • 2ー3か月後ごと(15)
4. 3 上記以外のポスターを掲示また定期的に更新することにより手指衛生を推進していますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
4. 4 病棟に手指衛生情報を記したリーフレットはおいてありますか?
  • いいえ(0)
  • はい(10)
4. 5 施設全体で、他の方法による職場での注意喚起を行っていますか?(手指衛生キャンペーンスクリーンセーバー、バッジ、シール等)
  • いいえ(0)
  • はい(15)
5. 手指衛生のための施設の安全文化
小計   / 100

5. 1 自施設で最適な手指衛生実践の実行と推進に専念する手指衛生チームについて
5. 1a そのようなチームが結成されていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 1b チームは定期的に参集していますか?(少なくとも月に1回)
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 1c チームには手指衛生を積極的に推進するための活動(手指衛生モニタリングの指導、新規活動の企画など)の時間が確保されていますか?
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 2 次に示す施設の管理職/幹部は、手指衛生改善を支持する強い姿勢を明確に(書面または口頭で、大多数の医療従事者に発信する形で)示していますか。
5. 2a 最高責任者(理事長/病院長/施設長)
  • いいえ(0)
  • はい(10)
5. 2b 診療科長・診療部門長
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 2c 看護部長
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 3 5月5 日の「Save Lives Clean Your Hands(命を救おう. 手を清潔に) 手指衛生の日」において施設全体で手指衛生を推進するための明確な計画が立案されていますか。
  • いいえ(0)
  • はい(10)
5. 4 全ての部門において手指衛生リーダーを特定する体制はありますか?
5. 4a 手指衛生リーダー(champion)指名システム
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 4b 手指衛生ロールモデルの表彰および活用システム
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 5 手指衛生推進への患者の関与について
5. 5a 手指衛生の重要性について患者に情報提供していますか?(例:リーフレットを使用)
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 5b 患者参加の正式なプログラムに着手していますか。
  • いいえ(0)
  • はい(10)
5. 6 自施設では、各現場における継続的な改善を支援する取り組みとして、例えば次のようなものがありますか
5. 6a 手指衛生のE-ラーニングツール
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 6b 毎年設定される施設が達成すべき手指衛生の目標
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 6c 信頼性があり、試験済みの現場のイノベーション(新たに導入した物や活動、制度など)を施設内で共有するシステム
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 6d 手指衛生について定期的に触れるコミュニケーションの機会(例:施設報、臨床会議など)
  • いいえ(0)
  • はい(5)
  • いいえ(0)
  • はい(5)
5. 6f 新規雇用者のためのバディーシステム
  • いいえ(0)
  • はい(5)

効果

使用される擦式アルコール性手指消毒薬は、消毒効果に関して承認された基準を満たすものでなければならない。通常、最適な消毒効果を持つ擦式手指消毒薬には、エタノール、イソプロパノールもしくはn-プロパノール、またはこれらの組み合わせが75%-85%含まれる。WHO 推奨擦式アルコール性手指消毒薬処方には、75% v/v イソプロパノール、または80% v/v エタノールが含まれる。

皮膚への安全性

医療現場において、医療従事者が使用する擦式アルコール性手指消毒薬の安全性(皮膚を傷めたり刺激したりしない)が、信頼できるデータで示されている。「WHO Protocol for Evaluation of Tolerability and Acceptability of Alcohol-based Hand rub in Use or Planned to be introduced」を参照のこと。

point of care

①患者、②医療従事者、③患者や患者を取り巻く環境(患者ゾーン内)との接触を伴うケアや治療の3つの要素が集まる場所。point-of-care における製品は、患者ゾーンを出ることなく(理想的には医療従事者が手を伸ばせば届く、または2メートル以内で)使用できなければならない。

清潔な流水

水管(水管が無い場合は、適切な消毒処理を施した屋外貯蔵槽)から供給され、微生物および化学物質汚染の適切な安全性基準を満たす水。詳細は、Essential environmental health standards in health care, Geneva, World Health Organization, 2008 を参照のこと。

石鹸

抗菌剤が添加されていない、または、防腐剤として抗菌剤が添加されている洗浄剤。固形石鹸、ティッシュ状、シート状、および液体製剤など、様々な形態で入手可能である。

インフラストラクチャー

ここでの「インフラストラクチャー」とは、施設内で最適な手指衛生を実施するために必要な設備、機器および製品などを指す。特に、質問1.1 から1.5 に含まれる指標を指しており、また、WHO 医療における手指衛生のガイドライン(WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care 2009, Part I, Chapter 23.5)に詳しく記載されている(全てのpoint-of-care で擦式アルコール性手指消毒薬が使用できること、清潔な流水の継続的な供給、シンク:病床比が少なくとも1:10 で各シンクに石鹸と使い捨てタオルが設置されている等)。

手指衛生研修

研修には様々な方法を用いることが可能だが、伝達する情報は「WHO 複合的手指衛生改善戦略(WHO Multimodal Hand Hygiene Improvement Strategy)」またはそれに類するものに則っていることが望ましい。研修には以下の内容が含まれる。

  • 医療関連感染(health care-associated infection:HCAI)の定義、その影響と疾病負荷
  • 医療関連感染病原体の主な伝播様式
  • HCAI の予防と手指衛生が果たす重要な役割
  • 手指衛生の適応(訳注:手指を介した病原体の伝播を防ぐために手指衛生を必要とする状況。タイミングとほぼ同義。):「WHO手指衛生の5つのタイミング( My 5 Moments for Hand Hygiene)」に基づく
  • 手指衛生の正しい手技 :「擦式手指消毒(How to Handrub)」および「手洗い(How to Wash)」ポスターを参照

十分なスキルを持つ専門家

感染制御または感染症に習熟しており、スタッフに対する研修に従事する時間が業務に正式に組み込まれている医療・看護スタッフを指す。あるいは、臨床業務に従事しながら、手指衛生のエビデンスと正しい実践に関する深い知識を獲得するための時間が確保されているスタッフを任命してもよい。最低限必要となる知識は、WHO医療における手指衛生のガイドライン(WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care)および手指衛生テクニカルリファレンスマニュアル(Hand Hygiene Technical Reference Manual)を参照のこと。

手指衛生チーム

チームの構成は多様であるが、感染対策チームで構成されることが多いと思われる。施設の状況により、手指衛生プログラムの管理者のみの場合もあれば、施設内の様々な部署のスタッフから構成されるグループが手指衛生プログラムに特化したミーティングに参加する場合もある。

手指衛生リーダー(champion)

患者安全と手指衛生基準を推奨し、所属する病棟または施設全体で行われているプロジェクトを宣伝する責任を進んで負う人物

手指衛生ロールモデル

他者が行動を見習う手本となる人物。特に、手指衛生のロールモデルは、手指衛生遵守率が少なくとも80%であり、他者に遵守を喚起し、「WHO 手指衛生の5つのタイミング」の概念を実際的に指導できる人物でなくてはならない。

個人の説明責任(アカウンタビリティ)システム

手指衛生の実践に関する行動に対し、説明責任を負うように医療従事者を奨励する明確な対策が導入されている。例として、個人評価に影響する可能性のある、観察者や感染対策専門家による通知、同僚による注意、および施設上層部への報告などがある。

バディーシステム

訓練を受けた経験豊富な医療従事者と新人医療従事者が二人一組となり、前者が後者に医療現場における手指衛生文化を紹介する役割(手指衛生の適応および手技に関する実践訓練、施設内の手指衛生推進活動に関する説明)を果たすプログラム。

Epi InfoTM

このソフトウェアは、CDC ウェブサイト(http://www.cdc.gov/ epiinfo/)から無料でダウンロードできる。

【出典元】

原本
World Health Organization. Hand Hygiene Self-Assessment Framework; 2010.
日本語版
坂本史衣, 三鴨廣繁, 柳原克紀, 田島太一, 松永展明, 守山祐樹, 森岡慎一郎, 早川佳代子 監訳.
WHO Hand Hygiene Self-Assessment Framework 2010(WHO 手指衛生自己評価フレームワーク2010 年).
AMR臨床リファレンスセンター. 2019年4月5日現在.一部編集.